お金よりも土
こんにちは。
FC今治事務局に勤めている黒川です。
イケウチオーガニックの方と社内の人間と食事に行きました。
その中で、クラブの過去についての話が出てきました。
私は2019年4月入社です。
もっと前から社内にいる人は、JFL1年目、すなわち「ありがとうサービス.夢スタジアム®」(以下「夢スタ」という。)が秋にできた年が1番きつかった、と言います。
JFLの開催要件を満たすスタジアムで順繰りにホームゲームを開催するジプシーの状態。
運営に必要な道具を全部積み込み、しまなみ海道を車で渡って、前日設営をし、広島県出身の社員の実家に泊まった福山でのホームゲーム。
ゆかりのある企業を回って来場者数を増やす必死の努力をしたものの、スタジアムに向かうトンネルを抜けたら怖さを感じさせる大雨が降っていて、引き返す人もいたという、四国中央でのホームゲーム。
年間10試合がジプシーで、心身ともにもう限界という時に、岡田さんからのメッセージで救われた社員たち。
「どこまで準備したら大丈夫なのか」がだれにも分からず、AM3時まで準備して、うまくいくか分からないけれど、当日のパフォーマンスを落としてはいけないため帰って寝るべきという決断をした、夢スタでの初ホームゲーム開催前夜。
混乱して途方に暮れ、ぐちゃぐちゃだった事務所。
そんな歴史を、私は知らない。
私よりも前から在籍する社員と、実体験として共有することができない。
けっこう寂しくなりました。
体験した人たちからすれば、二度とは味わいたくないことかもしれないけれど、ちょっとだけうらやましいと思いました。
他方で。
株式会社今治.夢スポーツのこのステージにおいて、自分にしかできないことがきっとあるはずで。
飛び抜けた能力はないものの、運や縁があった自分に、やるべきことはあるはずで。
その糸口も、今日の食事の中で出てきたような気がします。
「お金よりも土のほうが大事。」
いくらお金があっても、人は食べなければ生きていけない。
タオルの原料である綿花も、食べ物も、それを生み出すのは健康な土である。
イケウチオーガニックは、思想を持った、一本筋の通った会社です。
思想を出すと、マス層にはウケない、と言われる。
しかし、マス層向けで勝負しようとすると、規模の経済・資本力の勝負になってしまって、勝ち目はないし。
そんなような文脈の中で出てきた話だと記憶しています。
我が社も、「次世代のため、物の豊かさよりも心の豊かさを大切にする社会づくり」への貢献をうたっています。
前職の農水省は、生命を支える「食」と安心して暮らせる「環境」を未来の子どもたちに継承していくことを使命とうたっていました。
食と環境の持続可能性は、人生が私に期待することかもしれない、と改めて気づきました。
「人生から何を我々は期待できるかが問題ではなくて、むしろ人生が何を我々に期待しているかが問題なのである。」とは、高校時代の恩師が、私の転職に当たって授けてくれた、フランクルの言葉です。
要領が悪く、立ち止まって考える時間を取らないためか、日々の業務に追われるように感じていて、何のためにここに来たんだっけ、と初心を思い出したい今日この頃、『夜と霧』を読み始めました。
- 作者: ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2002/11/06
- メディア: 単行本
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